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2009年10月 7日 (水)

物流は営業を支援できる

ロジスティクスコンサルタント(中小企業診断士)のあきです。

モノの作り方には、受注を受けるタイミングにより受注生産と見込生産に区分できる。受注生産は受注の都度、製品の仕様や納期,価格を顧客と受注する製造業者で決めるため、基本的に在庫は抱えない。

それに対して見込生産は、予め製品の仕様や価格を製造業者が決めておき、受注すると顧客に即納する生産体系である。従って製造業者は製品を在庫として抱え込む必要がある。なぜなら、見込みで作られる製品は市場に需要があり、顧客のオーダーに先行して生産されるからである。また、そのような製品は消費材が主体であり、競合と激しい競争が展開されるが、製品の品質に大差がない場合は納期も重要なファクターとなる。この納期に対する重みは、製品に独自性を出し易い受注生産とは異なる。

受注生産を行う製造業者の営業担当者は、価格などの取引条件を決めるため、納品先への配送費を中心として物流費をその都度把握しておく必要がある。一方で、見込生産を行う製造業者の場合は、取引条件を顧客と交渉するに当り営業担当者が把握すべき物流費の項目も多岐に渡る。

例えば、製品を配送する輸送費はもちろん、在庫を抱えているため発生する保管,ピッキングやアソート費用、工場と物流センター間の輸送費などである。さらには、消費財では値札付けやシール添付など流通加工の費用も把握しておく必要がある。

ということは、物流費の多く掛かるであろう見込生産の製造業において、物流を担う者が収益性向上のために取り組むべきことが、十分にあるということだ。

この点が十分に議論されないまま曖昧になっているために、ABC(活動基準原価計算)も浸透しないのではないだろうか。

確かに、生産分野に比較すると、物流分野へのABC(活動基準原価計算)導入の難易度は高いように思える。

その理由として考えられるのは、第一に、生産業務は平準化が容易だが、物流業務においては困難であることがあげられる。毎日の生産高を均一化するために、サイクルタイムの長い製品と短い製品を同じラインに同時に流す、いわゆる混流生産方式である平準化生産を、生産分野では行っている。それに対して物流分野では、作業の標準化は可能でも、見込みで作業はできないので平準化は不可能である。従って、原単位当たりコストのブレ幅が大きくなるために、ABCを推進する誘因が働かないのではないか。

第二に、生産分野では品種と量を切り口にした分析手法であるPQ分析を行い、レイアウト設計を図るが、物流分野においては、P(品種)とQ(量)の2軸では分析困難である。なぜなら、生産業務において物の流れは、原材料の投入に始まり個体若しくは自社で決定したロット単位で各工程を流れるが、物流業務では、ピッキングする数量も同じ製品でも顧客や時期が異なれば、原単位の一行当たり数量がまちまちだからである。それ故、ABCに価値を見出せないでいるのではないか。

では、物流分野にABCを推進させるためには、どんな点に留意すればよいのだろうか。

次回、この点について意見を述べたい。

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コメント

あきさん、こんにちは!

物流は営業や生産の影響を大きく受けますが、他方でそういった部門に対するサポートができる部署と言えるでしょうね。
むしろ物流がリーダーシップを発揮し、それらの部門を引っ張っていくようになりたいものです。

まずは物流費の要因を発生させている部門に物流費の予算を持ってもらい、物流費に対する当事者意識を持ってもらうべきでしょう。
そうすればいかにそれを縮めるか、そのためにどうやって定量的に把握できるかを考えるようになるのではないかと思います。

大変良いテーマですね。次回を期待しています。

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